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第121号

[2022.01.04]

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~あけましておめでとうございます~

新型コロナウイルスが確認されて2年。ウイルスは変異を繰り返し、世界中に流行を広げてきました。もはや、このウイルスを根絶することは不可能で、時が経つにつれ、いずれは「風邪ウイルス」の一つとして共存していくことになるのでしょう。

オミクロン株の出現で、年明けにまた感染拡大が懸念されますが、基本的な感染対策を継続しつつ、日々の暮らしを大切に、よい1年でありますようお祈りいたします。

 

アトピー性皮膚炎

 アトピー性皮膚炎とは、かゆみのある湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。皮膚のバリア機能が低下しているため、外から刺激が入りやすくなっており、免疫細胞と結びついてアレルギー性の炎症を起こします。また、かゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸びてかゆみを感じやすい状態になっており、掻くことによってさらにバリア機能が低下、湿疹が悪化するという悪循環に陥ります。

 2000~2002年に厚労省が調査した報告では、アトピーの有病率は4か月児12.8%、1歳6ヵ月児9.8%、3歳13.2%、小1で11.8%でした。ただ、園や学校健診を長年している私の経験では、ここ数年アトピーの児は減っている印象です。乳幼児期の治療により、良い皮膚状態を保てるようになってきたのではないかと思います。

 食物アレルギーの発症に関して、近年ではバリア機能が低下した湿疹状態の皮膚から食物抗原が侵入することが関与すると言われており、乳児期から肌の状態を良くしておくことが大切です。

 治療の基本は①薬物療法、②スキンケア、③環境整備(悪化因子を見つけ、可能な限り取り除く)です。

薬物療法

炎症を抑えるステロイド外用薬が基本です。湿疹の部位や重症度に応じた強さのステロイド軟膏をしっかり塗布します。強い炎症がある初期は朝と入浴後の1日2回塗布し、赤みがとれてきたら1日1回できれいな皮膚状態を目指します。一見きれいになっても皮膚の下の炎症は続いているので、すぐに治療をやめずに徐々にステロイド外用薬を塗らない日を増やしていくことで炎症を抑えた状態を維持することが大切です。

 数年前から2歳以上には、ステロイド以外の軟膏も使えるようになりました。免疫抑制剤の一種であるタクロリムス(プロトピック)軟膏、免疫系細胞から分泌される情報伝達物質を阻害し、免疫細胞の活性化を抑制するデルゴシチニブ(コレクチム)軟膏です。これらは主にステロイドで炎症をある程度抑えてから使います。

スキンケア

皮脂の汚れや汗、皮膚に付着した黄色ブドウ球菌などが皮膚症状の悪化要因になりますのでシャワーや入浴で清潔を保ちます。皮膚バリア機能の回復には38-40℃がよいとされており、熱過ぎの湯は避けます。石鹸は低刺激性のものを用い、よく泡立てて、こすらないように洗いましょう。

 アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能と保湿因子が低下しているため、ドライスキンになりやすく、保湿剤やワセリンなどの保護剤で肌の水分含有量を保つことが大切です。

環境整備

汗や衣類との接触、ダニやハウスダスト、花粉、外用薬や石鹸・シャンプー・リンス、食物、ペット等々、人によってアトピーの悪化要因は様々です。避けられるものは避ける工夫をすることが大切ですが、アレルギー検査でIgE陽性が出たものが、即、原因とは限りません。特に食物などは検査陽性という理由だけで除去することはせず、医師と充分相談しながら、本当に悪化要因となっているもののみの除去にしましょう。

 

感染症流行状況

12月も胃腸炎症状や急に高熱が出るお子さんが多くいました。高熱でぐったりしている子にはインフルエンザやコロナウイルス検査等を時に行いましたが、陽性になることはなく、1~3日で解熱しているようでした。何らかのウイルス感染と思われます。

感染症

人数(人)

溶連菌

1

アデノウイルス

1

RSウイルス

インフルエンザ

(2021.12.1~12.28)

 

今月の一冊

「はっけよい!おせちばしょ

文:奥原弘美

絵:柴田ケイコ

 お正月の定番、おせち料理。おせちの具材たちは、一の段の真ん中に座るのを狙っているようで…。重箱の真ん中をかけて年に1度の大勝負。おせちたちのすもう大会“おせち場所”が始まります。テンポの良いストーリーとキャラクターたちの活躍が楽しめる絵本です。(T.K.)

 

今月の予定

  1月 18日(火) 守谷市3-4カ月児健診

     

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