第126号
開院15周年を迎えました。あっという間だったような気もしますが、この15年で小児医療は大きく変わりました。
まずは予防接種。15年前に0歳児がクリニックで個別接種していたのは三種混合とBCGだけだったような…。世界標準から20年遅れていると言われていた日本の予防接種状況でしたが、その後ヒブ・肺炎球菌ワクチン導入により細菌性髄膜炎等の重症感染症は激減しました。ロタウイルスワクチンも定期接種となり、ここ数年はロタの胃腸炎にかかる子をほとんど見なくなりました。
2009年の新型インフルエンザは幸い弱毒型で、それまでのAソ連型と入れ替わる形で落ち着きましたが、2019年末からの新型コロナウイルスの世界的流行は私たちの生活に大きな変化をもたらしました。自粛生活や感染予防対策の徹底で、これまで当たり前のように流行していたインフルエンザ、溶連菌感染症などを最近はほとんどみなくなりました。今後マスクの非着用、園・学校生活の制限解除、海外との行き来など、少しずつ以前の生活に戻っていくと思いますが、それと共に小児に流行する様々な感染症がどう変化するのか興味深いところです。
さらに、ここ2年余り人との交流を制限され、外出もままならない時期があった子供達には、少なからず心身発育に影響が及んだと思われます。でも、子供の心や体や脳は柔軟です。これまでの、そしてこれからの様々な体験を通じてたくましく成長し、新しい世界を創造していってくれると信じています。
チャイルドライン
18歳までの子どもがつながる「チャイルドライン」をご存知でしょうか?電話やチャットで自分のかかえている思いを誰かに話すことで、少しでも楽になるよう、気持ちを受けとめてくれる相談先です。
18歳までの子ども専用
フリーダイヤル 0120-99-7777
毎日16時~21時
HPから「チャットする」「つぶやく」も可能
研修を受けたボランティアが子どもを一人の人間として受けとめ、子どもの主体性を尊重し、大人の考えを押しつけないように気をつけて話を聴いてくれます。誰かに話をすることで子どもの気持ちが軽くなったり、次の一歩を踏み出せるようお手伝いしてくれるところです。
次のような4つの約束がされています。
・ヒミツはまもるよ(話の内容をそのまま第三者に伝えることはしない)
・どんなことも一緒に考える
・名前は言わなくていい(お互い匿名で相談)
・切りたいときは電話を切っていい
周りにいるお子さんが「なんか元気がなさそう」「悩みがありそう」「さびしそうにしている」時は、こういう相談先もあるよ、と教えてあげてください。
アレルギー性鼻炎に対する舌下免疫療法
春先スギ花粉症に悩まされた方には、花粉の飛散が落ち着いた今頃からスギに対する舌下免疫療法という選択肢があります。
舌下免疫療法はアレルギーの原因となっているアレルゲンを少量毎日投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげようというものです。3~5年治療を継続することにより、その後長期にわたり症状をおさえ、体質改善が期待される治療法です。ご興味のある方はご相談ください。
感染症流行状況
コロナウイルス感染者はだいぶ少なくなりました。ここ1-2週間は発熱している子に検査をしてもほとんどが陰性です。このまましばらく落ち着いた状態が続いてくれるといいのですが…。
一部で胃腸炎の流行や水痘の発生がありましたが、大流行している感染症はありません。
今月の一冊
「かえるくんと あたらしいおともだち」
さく:鈴木 真実
雨あがりのある日、かえるくんと虹のこどもが講演で出会いました。一緒に水たまりに入ったり、かくれんぼをしたりして楽しんでいると、「ぼうやー」とだれかの呼ぶ声が…。梅雨の空を見上げたくなるような絵本です。(T.K.)
今月の予定
6月 2日(木) 守谷市3歳5カ月児健診
16日(木) 常総市乳児健診
★コロナワクチン接種のため一般診療の受付時間が変更になります。
(火)(水)(金) 17:00受付終了
*5/21~は(火)(金) 17:00受付終了
6月4日(土) 11:30受付終了
★おたふくかぜワクチンはネットでの予約が可能になりました。日本脳炎は供給量が少なく、入荷した分のみ予約をお取りしています。お電話でお問い合わせください。
~発熱で受診される方へ~
まだしばらくの間、発熱している方は午前11時台、午後16:00 16:15に予約の上、来院前にお電話でご連絡をお願いいたします。