第132号
あっという間にもう師走。世界に目を向けると、戦争や異常気象による甚大な洪水被害など信じられないような出来事もありました。平和な日常の有難さを感じた1年でした。
よいお年をお迎え下さい!
2022年をふりかえって
昨年まで小児のコロナ感染者はたまに出る程度でしたが、2022年に入りオミクロン株が流行すると、子どもの感染者が急増しました。第6波、7波ときて、11月から8波に入った様子が、当院での感染者数からもよくわかります。
コロナが落ち着いた9-10月にはRSウイルスが流行し、これにヒトメタニューモウイルス、手足口病などが加わり感染症オンパレードの夏~秋でした。
コロナ前はマスクなどめったにせずに診察していたのが遠い昔のように思います。今は密着性の高いマスクと眼鏡が手放せません。
でも、子供たちにはそろそろマスクを外して自由に活動させてあげたい。政府もコロナの位置づけを徐々にインフルエンザ並みの扱いにしていくようです。2023年は日本社会のコロナへの向き合い方も変わっていくことでしょう。
熱性けいれん
これからの季節はコロナばかりでなく、インフルエンザや他の風邪などで熱を出すお子さんが増えてきます。6カ月~5歳位の子は急な発熱に伴ってけいれんを起こすことがあります。日本人小児の熱性けいれんの頻度は8%位といわれています。
我が子が突然、全身を突っ張らせて白目をむいてしまったり、手足をピクピクさせたりし、呼びかけに応じずだんだん顔色が悪くなっていく様子を初めて見た時は誰でもびっくりしてしまいますよね。でも、多くの場合、2-3分以内にけいれんは自然に止まります。まずは落ち着いて、安全な場所に寝かせ、何時何分からけいれんが始まったか、呼吸状態や手足の動きを観察してください。吐きそうなときは吐物が喉につまらないよう顔を横向きにしてください。
2-3分で止まり、すぐ泣いたり普通の寝息で眠った場合は様子観察で大丈夫。不安な時は日中かかりつけ医受診を。数分経ってもけいれんが続いている・けいれんは止まったようだが呼吸や意識が変な感じ・いったん止まったのにまたけいれんした、といった場合は救急車を呼んだ方がよいでしょう。
熱性けいれん予防に、発熱時にダイアップ座薬というけいれん止めを使う場合があります。単純型の熱性けいれん(発熱後多くは24時間以内に起こり、短時間でおさまる左右対称のけいれん)は何回か起こしても将来の知能や発達に問題ありません。ダイアップ座薬を使うことにより一時的にボーっとしたり、ふらつきや興奮がみられることがあり、「単純型の熱性けいれんを2-3回起こした」くらいの子には予防投与をお勧めしていません。
けいれんの持続時間が15分以上、けいれんが体の一部のみの焦点性発作、24時間以内に反復する、熱性けいれんやてんかんの家族歴、38℃未満での発作などいくつかの因子を検討した上で、必要な場合にはダイアップ座薬を処方しています。
9価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン
今年4月にHPVワクチン、通称「子宮頸がん予防ワクチン」の積極的接種勧奨が再開、接種機会を逃した平成9年度~17年度生まれの女子にキャッチアップ接種も始まりました。現在は2価と4価のワクチンが使われており、子宮頸がん予防効果は65~70%と言われています。来年度から予防効果が80-90%と言われる9価ワクチンが定期予防接種に導入されることが厚労省ワクチン部会で示されました。
これからHPVワクチン1回目を検討している人は来春まで待つのも選択肢の一つです。
感染症流行状況
11月からコロナウイルス感染者が増加中。嘔吐下痢の胃腸炎が増えてきました。インフルエンザはまだ流行の兆しはありません。
今月の一冊
「いろいろ クリスマスツリー」
作:おおでゆかこ
もうすぐクリスマス。動物たちが思い思いにいろいろなところで、いろいろなツリーを飾っています。今年はどんなツリーにしようか、お部屋に飾るツリーの参考になりそうな絵本です。
(T.K.)
今月の予定
12月 15日(木) 常総市乳児健診
17日(木) 守谷市1歳6か月児健診
29日(木)~1月3日(火) 年末年始休診
★コロナ及びインフルエンザワクチン接種のため
(月)(火)(水)(金) 17:00受付終了
12月10日(土) 11:30受付終了