第134号
寒い毎日が続いていますが、少しずつ陽が伸び、春が近付いていることを感じます。
先日、黒内小の皆さんが鶴を折って作ったリースをプレゼントしてくれました。「校医、学校歯科医へ感謝を込めて」とのこと。鶴の一つ一つには「ありがとう」「Thank you」「Merci」等書かれていました。
みんな、ありがとう!診察室の入り口に飾っています。
救急外来はどんな時受診する?
毎年、都道府県魅力度ランキングで最下位争いをしている茨城県ですが、人口10万あたりの小児科医数も最下位争いをしています。
私は筑波メディカルセンター在職中に第1子、守谷第一病院在職中に第2子を出産しました。どちらも当時は小児科医が2人しかいない病院でしたので、育休という制度も知らず、産後8週が過ぎるとすぐに復帰。直後から夜間オンコール(何かあれば自宅から病院へかけつける体制)や休日日直を行い、子供が生後半年を過ぎれば当直に入り、当直した翌日も夕方まで丸1日普通勤務をしていました。当時はそれが当たり前と思い、それほど苦に感じていませんでしたが、今考えれば、結構大変な生活していたなと思います。
次第に医師も育休をとるようになったり(最近は男性も)、当直明けは半日で帰るようにする病院が出てきたり等、医師の労働環境は少しずつ改善してきました。2024年度からは働き方改革が本格化し、医師にも残業時間制限が適応されることになっています。そうすると、当直も残業時間とみなされて医師が働ける時間が限られ、小児科医が夜間対応するのが今以上に困難になることが予想されます。
そこで皆さんにお願いです!救急外来を受診する前に、「本当に今すぐに受診する必要があるのか?」ちょっと考えてみてほしいのです。最近は「#8000」が認知され、夜間や休日にお子さんの具合が悪くなった時に電話し、看護師さんに相談しているご家庭も増えてきました。この#8000の人口当たり利用件数は、茨城は全国トップです。小児科医が少ない分、この制度が補ってくれ定着してきたのだと思われます。
これから、2-3回に分けて、よくある症状について救急外来受診の目安を書いていきたいと思いますので、参考にしていただければ幸いです。
発熱&熱性けいれん
救急受診で最も多い症状が発熱。お子さんが高熱を出せば心配になるし、原因を知りたい、解熱剤だけでも欲しいという気持ちはよくわかります。が、熱が出てすぐに受診が必要なケースは、実はめったにありません。熱だけであわてず、お子さんの全身状態をよく観察してください。顔色が悪くぐったりしている、視線がうつろという場合は救急受診を。
- コロナ、インフルエンザ等の迅速検査は発熱直後にはウイルス量が少なく、本当は感染していても検査結果が陰性になってしまうことがあります。そのため、夜間には検査をしない方針の病院もあります。熱が高くても受け答えが普通にでき、水分が多少なり摂れていれば一晩様子をみましょう。検査目的の休日夜間救急外来受診は控えましょう。
- 子どもは熱に伴ってけいれんを起こすことがありますが、熱性けいれんの大部分は2-3分以内に自然に止まります。すぐ止まり、その後普通に泣いていたり、すやすやと眠っていたり、起きた時視線が合うようなら、翌朝のかかりつけ医受診で大丈夫です。5分近く経ってもけいれんが止まらない、けいれんは止まったようにみえるがぐったりして反応が乏しい、繰り返しけいれんを起こす等の場合は救急車要請を。
花粉症の季節です
2月上旬から飛散が始まり、関東甲信では飛散量が非常に多くなると予想されています。花粉の飛散量は前年夏の気象条件が大きく影響し、2022年夏は「高温・多照・少雨」でスギの花芽形成に好条件だったためとか。
最近は2-3歳頃から花粉症の症状が出てくる子もいます。鼻水・くしゃみ・眼のかゆみ等出始めたら早めの対策を!
感染症流行状況
1月はコロナとインフルエンザA型感染者が半々という感じで発熱者が多くいましたが、1月下旬からコロナ・インフルエンザとも減少傾向です。このまま落ち着いてくれればよいのですが…。嘔吐下痢の胃腸炎も多かったです。
今月の一冊
「おにたくんのおにぎり」
作・絵:はしもと えつよ
雲の上から人間の住む町に引っ越してきたおにたくん一家は、おにぎり屋さん。近所の園に通うことになったおにたくんは、みんなと話すことができません。でも、お父さんが握ったおにぎりのおかげで大人気になり、みんなの分も作ってもらう約束をしたのですが…‼
愛情たっぷりのおにぎりが、おにたくんの表情を明るくする心温まる絵本です。(T.K.)
今月の予定
2月16日(木) 常総市1歳6か月児健診
★コロナワクチン接種のため
(火)(金) 17:00受付終了(月水は17:30まで)