第139号
先日、幼稚園の内科健診に行った時の事。部屋に入ると「しばたキッズだ~」と子供達のかわいい声に迎えられましたが、続いて「なんで眼鏡してないの?」と。そうだ、コロナが騒がれてからというもの、ぶ厚いマスクに花粉症眼鏡というスタイルで診療をしているので、この子達はそういう私しか知らないんだなぁと改めて思いました。以前はマスクすらほとんどせずに診察していたのですが…。
蒸し暑い日が続いています。熱中症にならないよう注意しながら、楽しい夏をお過ごしください!
いろいろな病気が流行っています!
RSウイルス、手足口病、ヘルパンギーナ、溶連菌、アデノウイルス、胃腸炎、インフルエンザにコロナも、と何でもありの最近の小児科外来です。
RSウイルス感染症
RSウイルスによって起きる呼吸器感染症です。以前は秋から初冬に流行することが多かったのですが、最近は、GW明け頃から流行し、季節性を感じなくなりました。年長児や大人では、咳や鼻水といった風邪症状で終わりますが、赤ちゃんや小さい子がかかると、熱が続くことも多く、咳鼻水がだんだんひどくなり、ゼーゼーした呼吸になってきます。
咳やくしゃみ、会話時や泣いたりしたときの飛沫感染、つばや鼻水がついた手や物品(おもちゃや机等)を介した接触感染でうつります。感染力が強く、保育園などではどうしても感染が広がりやすい疾患です。
特別な治療薬はないので、症状に合わせて去痰剤を投与したり、吸引や吸入を行っています。呼吸困難が強くなると入院することもあります。呼吸が速く喉元や肋骨の間が陥没するような呼吸、顔色が悪い、飲み物がほとんど摂れないなどは要注意です。
手足口病&ヘルパンギーナ
どちらもコクサッキーウイルス、エンテロウイルス等、いわゆる夏風邪ウイルスが原因となる感染症です。
手足口病は、手足や口の中に小さい水泡性の発疹が出る病気です。膝の周りやお尻も発疹の好発部位です。熱は出る時と出ない時がありますが、出ても1-2日で解熱することがほとんどです。ウイルスの種類によっては、手足だけでなく全身に派手な(水痘かと思うような)発疹が出たり、しばらくして爪が変形したりすることもありますが、今年流行しているのは、比較的軽い手足口病のようです。(最近、体や四肢全体に細かい赤い発疹がたくさん出ている子が何人かいます。水疱性ではないので、これを手足口病といっていいのか躊躇しますが、いずれにせよ夏風邪ウイルスによるものと思われます。)
ヘルパンギーナは突然の発熱と喉の痛みで発症し、高熱が2-3日続き、喉の奥に水疱や潰瘍ができる病気です。
どちらの病気も特効薬はなく、自然に治るのを待つしかありません。水分をこまめにとり、喉にしみないような食事を摂るようにしましょう。稀ですが、夏風邪ウイルスには髄膜炎や脳炎、心筋炎といった合併症があります。熱に加えて頭痛・嘔吐が続く、けいれんが止まらない、意識状態がおかしい、胸が苦しい等の症状は病院を受診してください。
熱が下がり、発疹が消失した後でも、これらのウイルスは2~4週間程度体内に残っていると言われています。そんなに長期休むのはナンセンスですから、「集団生活をしている限り、お互い様」ということで、熱がなく、食事も普通に摂れて元気になったお子さんは登園登校可能です。
アデノウイルス感染症
アデノウイルスには、50種類以上の型があり、扁桃炎、咽頭結膜熱(プール熱)、肺炎、胃腸炎、はやり目など、型によって様々な症状が出ます。
多いのは主に3型7型の感染によって起こる扁桃炎タイプ。急に高熱が出て、4-6日程度熱が続きます。しばしば扁桃に白色の膿が付着しますが、高熱の割に多くの子は比較的元気です。これも治療薬はなく自力で治るのを待つしかありません。
感染症流行状況
前述のように、いろいろな病気が流行っています。6月下旬に坂東市ではインフルエンザによる学級閉鎖もありました。コロナは週に数人程度で、大きな流行にはなっていません。
今月の一冊
「サンゴのもり」
作:きむら だいすけ
サンゴの生きている海の中では、サンゴが森のように広がり、いろいろな生き物たちがいっぱい!みんな違う形、色、性格だけど、誰もが大事な仲間たち。違いを認め合う大切さが色鮮やかに描かれている絵本です。(T.K.)
今月の予定
7月 27日(木) 守谷市3歳5か月児健診
★コロナワクチン接種のため
(金) 17:00受付終了(月火水は17:30まで)