第163号
梅雨はどこへ行ってしまったのかと思うような暑い毎日が続いています。子供達には外で元気に遊んでほしいのですが、こう蒸し暑いと何より熱中症が心配。涼しい場所や時間帯をうまく使って、水分補給も忘れずに。元気に楽しい夏を過ごしてください!
寝る子は育つ!
世界的睡眠学者で筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構長の柳沢正史先生。最近テレビにも時々出ていらっしゃるので、ご存知の方もいらっしゃることでしょう。大学の先輩で、学生時代から超優秀なのは有名でした。先日、講演を聴く機会があり、監修した本が出版されたとのことで読んでみました。
その中で面白かったのは動物の睡眠(これはこの本の本質的な所ではないのですが…)。野生の動物は眠ってしまうと命の危険と隣り合わせ。そのためいろいろな睡眠の仕方があるようです。キリンやゾウはほとんど立ったまま眠る。イルカやクジラ、一部の渡り鳥は片目をつぶって大脳の右半球と左半球、片側ずつ眠る。ペンギンは平均4秒ずつ1万回、合計1日11時間程度寝る。脳のないクラゲも実は睡眠をとっているetc.睡眠とは脳が発達する以前から存在する、生命維持に必要不可なものなのです。
日本人は子供も大人も世界的にみて睡眠時間の少なさが顕著。子どもに理想的な睡眠時間は、幼児:10~13時間、小学生:9~11時間、中高生:8~10時間とされています。
入眠後間もないノンレム睡眠時には、成長ホルモンが活発に分泌されます。成長ホルモンは身長を伸ばすだけでなく、脳内の神経ネットワーク形成や細胞の修復・育成、筋肉や骨形成、脂肪の分解、免疫力の向上といった健康維持をするための大切な役割を担っています。
レム睡眠は、身体は眠っている状態で脳だけが機能している状態で、脳の中で記憶や感情などの情報を整理し、脳に情報を定着させたり、いらない情報を消去したりしています。
しっかり睡眠をとることで記憶力が高まり、効率よくパフォーマンスを発揮できるばかりでなく、洞察力や創造性も高めるといわれています。運動や楽器の演奏といった身体の記憶も睡眠をとることで、しっかり定着するのです。大谷選手が睡眠を重視しているのも納得ですね。
決まった時間に入眠に向けて、部屋の照明を落とす、お風呂に入ってパジャマに着替える、歯磨きをする、読み聞かせをする、といった同じ手順を踏む「入眠儀式」は特に小さい子にとって大切。そして朝になったらカーテンを開けて朝日をあびる。基本的な習慣でよい睡眠をとりたいですね。
しつこい咳
最近、咳のひどいお子さんが多く、診療に苦慮しています。小さい子に多いのは気管支炎や喘息がらみの咳。小中学生になると、百日咳やマイコプラズマの感染症が多い状況です。
百日咳は、始めは咳鼻水といった風邪症状ですが、次第に発作的に激しい咳が続くようになり、夜間咳で眠れなかったり、咳込んで吐いたりするようになります。乳児期早期にかかると、典型的な咳がないまま、無呼吸発作からチアノーゼやけいれん、呼吸停止に至ることもあり、今年赤ちゃんの死亡例も報告されています。
初期には風邪との見分けがつきにくく、診断に時間がかかる、既に2-3週間咳が止まらないと来院される頃には抗菌薬が効きにくくなっている、最近は耐性菌も増えている、といった要因が重なり、咳の改善に時間がかかります。熱は出ないことがほとんどで、学校に行っている子が多いのですが、飛沫感染しますので、激しい咳の時はお休みして受診してください。
マイコプラズマは、発熱することが多く、2-3日経過するうちに咳がどんどんひどくなっていきます。必要に応じて、咽頭での迅速検査(感度がよくないのが難点)、胸部レントゲン撮影、血液検査等を行っています。すんなり治る子もいますが、これも耐性菌が問題になっており、なかなか熱が下がらない、解熱しても激しい咳が止まらないといったお子さんもいます。
ひどい咳、長引く咳にはご注意ください。
感染症流行状況
溶連菌感染症やアデノウイルスが比較的多くみられます。一時減りかけたマイコプラズマ肺炎や百日咳がまた最近増えている様子です。熱が出ているけれど、原因がはっきりしないお子さんも多いです。
今月の一冊
「クリームソーダになりたいアザラシちゃん」
絵:古川紙工 文:わだことみ
どうぶつたちが憧れのお菓子になれるという「お菓子などうぶつ工房」。そこには、発明が大好きなハシビロコウのマスターがいて、夢をかなえてくれるというけれど…⁉ どうぶつたちが“なりたいお菓子”になるため大奮闘!ワクワクとドキドキが詰まった親子で楽しめる絵本です。 (T.K.)
今月の予定&お知らせ
7月 31日(木) 守谷市3歳児健診
