第169号
あけましておめでとうございます
皆様、おだやかに新年をお迎えのことと思います。うま年に鹿の写真を載せるのもどうかと思いましたが、こののんびりした感じがよくて…。奈良公園の鹿は1300年以上も前からこうして、この地に人間と共生しながら生きてきました。あちこちで紛争が絶えず、解決の方法もなかなか見えないこの頃。平和な世界になりますように、こうしたゆったりした時間が流れる日が続きますように、と願っています。
デジタル社会と子ども達
一般の人達が家庭でもパソコンを使い始めたのは1990年頃。携帯電話を私が初めて持ったのは1999年の産休中。それから20-30年間で情報通信技術の発展は目覚ましく、今や、ある年齢以上の子供も含めて一人一台スマホを持つような時代に…。コロナ禍の影響もあり、GIGAスクール構想が進められ小学生から一人一台の端末を使って学習するようになりました。
インターネットで様々な事が一瞬にして調べられるし、情報量もけた違いに多い。世界中のいろいろな人とつながることもできる。その恩恵は計り知れず、デジタル技術無くして私たちの生活は成り立たなくなっています。
しかし、私などスマホ機能の多分10分の1も使いこなせていないし、医療現場でもマイナ保険証、電子処方箋、電子母子手帳だといろいろ要求される時代になり、ついていけなくなっています。
成長期の子供達にとっても今のデジタル社会が幸せなのかと考えてしまうことがあります。子ども同士のコミュニケーションの変化、ネット利用の低年齢化、ネット依存・ゲーム依存になってしまう子、SNSでの中傷やいじめの問題、スマホの使い過ぎが視機能の発達に及ぼす影響…。
ある霊長類学者によると、人間の脳容量は集団生活を営むようになって200万年前から増大したが、40万年前に現代の大きさになってから、ほとんど増えていないのだそうです。その後言葉を獲得しても、今のような情報が飛び交う世の中になっても脳容量は変わっていないのだそうです。いろいろ発展したけれども、「人類の進化の出発点になった共食、共同の子育て、身体や心を共鳴させた経験からくるコミュニケーションといった人間の本質に立ち戻ることが再び役立つだろう」と記されていて、共感しました。
それぞれの家庭でできることには限界があると思いますが、小さいうちはデジタルデバイスに触れる時間を極力少なくして、家族や周囲の人達との直接的な触れ合い、自然に触れる、公園などで友達と遊ぶ、スポーツや音楽などに熱中すること等、実体験を積み重ねていってほしいと思います。
GIGAスクール構想も曲がり角に来ているようです。インターネットで知った知識や情報は、表面的な理解のままわかったつもりになりがちで、深い思考や探求のためには、フェイス・トゥ・フェイスでの小グループによる共同の学びが不可欠であると、見直されています。
子供時代の様々な実体験こそが、将来、生きる力の基になると思っています。
夜尿症の治療
夜間におねしょのある子は7歳で10%、10歳で5%程度といわれています。夜尿症は、①夜中睡眠から覚醒しにくい体質、②夜間、膀胱に尿をためる能力が低い、③夜間の尿生成量が多い、その他の原因がからみあって起きています。年々減ってきている場合は経過をみてもよいですが、小学生でほとんど毎日のように夜尿がある場合は、治療介入した方が早くおねしょから卒業できます。生活指導や夜尿日誌で改善しない場合は、薬物療法やアラーム療法を行っています。お悩みの方はご相談下さい。
感染症流行状況
インフルエンザA型はピークが過ぎたようで、減少傾向となりました。年末にB型インフルエンザが散見されるようになり、年明けに流行しないとよいのですが…。
最近、水痘にかかる子が例年に比べやや多いようです。ワクチンをしてある子はたいがい軽症ですが、未接種の赤ちゃんや、たまにワクチンをしてあるのに結構発疹が出るお子さんもいて要注意です。
今月の一冊
「ゆきだま」
キム・ギジョン:文
ムン・ジョンフン:絵
おおたけ きよみ:訳
ゆきのひ、戸をあけたリスのトットルが、ゆきを小さく丸め、コロコロと転がしてどんどん大きくしていき、坂の上まで登りつめたその時です…
ごろごろごろ‼ ゆきだまが坂道を勢いよく転がり始め、どうなってしまうのか⁈
雪遊びにのめり込んでいく子供たちが生き生きと描かれた絵本です。(T.K.)
今月の予定&お知らせ
1月16日(金) 医師会業務のため15:00 診療終了
22日(木) 常総市1歳6か月児健診
28日(水) 医師会業務のため16:45 診療終了
