第174号
当院は2007年6月1日に開院し、今年で19年となりました。開院以来、診察室のカレンダーはエリック・カール。東京でエリック・カール展が開かれているというので行ってみました。小さい子を連れた家族が多く微笑ましかったです。
「はらぺこあおむし」などの作品は、コラージュという技法で作られています。ティッシュペーパーのような薄い白い紙に絵具で複数の色を塗り重ねたり、スポンジ・麻布などを押しつけたりして色々な模様の紙をたくさん作り、それをカッターでくりぬき、台紙となる画用紙に張り合わせて形をつくっていくそうです。おうちでも親子でチャレンジしたら楽しそうですね!
麻疹の流行と麻疹風疹混合(MR)ワクチン
今年は、東京を中心に麻疹の感染が拡大しています。5月下旬までに全国で約500人、茨城県内で5人の感染が報告されています。つい最近は近隣での発生も報告されています。半数は20代30代の若い大人世代です。
麻疹は感染力が非常に強く、発病初期には咳・鼻水・発熱といった風邪症状のみなので見分けがつきません。次第に咳鼻水がひどくなり、3-4日すると口の中に特徴的な白斑が出現、全身に赤みの濃い発疹が広がっていきます。そこからさらに3-4日高熱が続き、普通に経過しても重症です。肺炎・中耳炎・脳炎等の合併症が多く、数年経ってから亜急性硬化性全脳炎という予後不良な難病を発症することもあります。
予防は何といってもワクチンです。高齢者の多くは昔子供の頃に罹って免疫があり、現在1歳以上の子供達もほとんどが麻疹風疹(MR)ワクチンを接種して免疫を獲得しています。30-40歳代の人達は、麻疹ワクチンを幼少期に1回しか接種していない人が多く、麻疹抗体価が低い可能性があります。
今年麻疹に罹った人を分析した報告によると、実は10代の感染者の多くはワクチンを2回接種しています。それなのに麻疹に罹ってしまったわけですが、2回接種してある程度の免疫を持っている人が罹る麻疹は“修飾麻疹”といわれる、典型的な麻疹症状を呈さないタイプです。これは周囲へ感染させる力はほとんどないと言われています。
1歳になったらすぐにMRワクチンを接種しましょう!来年小学校にあがる年長さんにはMRワクチン2期の予診票が送られてきたと思います。毎年、年度末の3月に接種しに来る子が何人かいますが、その頃病気になってしまうと定期接種として無料で受けられなくなってしまう可能性もあります。余裕を持って予約し接種しましょう!
いつ紹介する?小児外科的疾患
元気だけれどいずれ手術が必要になる可能性のある小児外科的疾患がいくつかあります。
鼠経ヘルニア:腹壁に生じた欠損部から腸管等が皮下に飛び出る状態で、泣いたときや入浴時などに陰部から大腿の付け根あたりが膨隆します。自然治癒は期待できず、いずれ手術が必要です。飛び出た腸管等が元に戻らなくなると「嵌頓」と言って緊急手術が必要になる事もあるので、鼠経ヘルニアの症状で相談されたときは、小児外科へ紹介しています。
臍ヘルニア:いわゆる「でべそ」です。1歳で80%、2歳で90%が自然治癒すると言われており、2歳過ぎても臍が飛び出ているお子さんは紹介しています。乳児期早期にお臍を綿球等で圧迫固定すると、2-3ヶ月で閉鎖して治る場合が多く、当院でも圧迫療法は行っていますのでご相談ください。
停留精巣:陰嚢内に精巣が降りていない状態です。1歳前後~2歳での手術が推奨されているので、陰嚢内に精巣を全く触知できない場合にはすぐ紹介しています。陰嚢内に精巣を触知したりしなかったりの「遊走精巣」の場合は、しばらく様子見ても陰嚢内に固定しない場合、紹介しています。
感染症流行状況
大きな流行性疾患はありません。溶連菌・アデノウイルス・胃腸炎などが散見されます。
今月の一冊
「くさむらの ゆうびんきょく」
いしはらゆりこ:作 伊藤夏紀:絵
小さな池のそばの草むらに虫たちの郵便局がありました。朝から配達の準備をし、トンボやカブトムシたちが出発します。アジサイの上で、カタツムリのでんでんが「ここで働きたい」とガマガエル局長に言うと、局長はびっくりして飛び上がりました。のんびりやのでんでんに何ができるだろう…。誰でも得意なことで活躍できる「自分らしさ」を見つける絵本です。(T.K.)
今月の予定&お知らせ
6月4日(木) 黒内小・もりや幼保園内科健診
11日(木) 黒内小内科健診
25日(木) 守谷市5歳児健診
*6月18日(木)に予約システムの機器を更新します。日中数時間、予約が取れない時間帯が発生しますが、夕方には通常通り稼働する予定です。既に当院のIDをお持ちの方はLINE連携が可能になります。自動応答電話での予約は終了となりますのでご了承下さい。
