第86号
冷たい風が身にしみますが、陽射しは少しずつ伸びてきて春の気配も。そろそろ花粉症が気になり始めた人もいることでしょう。くしゃみや鼻水、眼のかゆみなど症状が出始めたら、早めの対策を!
インフルエンザ流行中です!
1月はとにかくインフルエンザA型の嵐でした。
ピークは越えたようですが、まだ連日多くの患者さんが出ています。
茨城県衛生研究所の分析では、今のところ75%がAH1pdm09(2009年に新型といわれていた型)、残り25%がAH3(A香港型)と2種類のA型が流行しているようです。日頃診察していても、高熱でぐったりし起き上がるのもつらそうな子と、すぐ熱が下がって軽そうな子と2タイプある印象です。今シーズン、A型に2回罹ることもあるかもしれません。
今後はいつB型が流行するのか戦々恐々としていますが、昨年、結構大規模にB型の流行があったので、罹って免疫がある人が多いと思われます。今年はあまり流行らないといいですね。
ダウン症について思うこと
1月の連休、京都に行ってきました。昔、中学高校で修学旅行に行った時は、お寺なども「ふーん…」という感じでしたが、歳をとってくると京都っておもしろく、たまに訪れています。
建仁寺というお寺には、江戸時代の画家・俵屋宗達が描いた「風神雷神図屏風」があるのですが、それをモチーフとして、ダウン症の書家・金澤翔子さんが書いた作品も飾られていました。風神の「風」は本当に強い風が吹いているよう、雷神の「神」は雷が落ちてくるように見えませんか?
テレビ等で彼女のことをご存知の方もいらっしゃることでしょう。
ダウン症は、出生約800人に1人と染色体異常の中では最も高頻度にみられる症候群です。特徴的な顔つきや筋緊張低下などで気づかれ、染色体検査によって診断されます。先天性心疾患や消化管等の異常で手術を必要とする合併症が起こる頻度が高く、特に赤ちゃんのうちは育てるのに苦労することが多いです。眼や耳の異常も起こりやすく、発達もゆっくりです。
最近は、出生前診断で赤ちゃんの染色体異常等がないかを検査することが可能となりました。その結果、「ダウン症の疑い」とされると出産をあきらめてしまう人が多いようですが、私は残念なことだと思っています。自分自身、妊娠中に「生まれてくる子がダウン症だったら、当直や夜間呼び出しが多い常勤の勤務医は大変だから、パートの医者になろう」とは思いましたが、「ダウン症だったら困る」とは決して思いませんでした。
なぜなら、診療で接してきたたくさんのダウン症の子達を知っているから。愛くるしい笑顔、ゆっくりだけど周りの人達も笑顔にしながら発達していく姿。合理的なことが第一とされるような現代の世の中で、ダウン症の子達は別の穏やかな時を生きているように感じます。
出生前検査の結果をどう受け入れるかは、それぞれのご夫婦で充分話し合われ、それぞれのご家族が選んだ道が正しい道です。私が口をはさむ余地はありませんが、ダウン症のことをもっと知ってほしいなという思いで、書かせていただきました。
麻疹風疹ワクチン2期 お忘れなく!
小学校入学前の年長さん、麻疹風疹ワクチンは済みましたか?毎年、ギリギリにやってくる子がいます。3月31日までに接種をお忘れなく!
感染症流行状況
インフルエンザが圧倒的に多いですが、溶連菌で熱が高い子もまぎれています。リンゴ病や水痘もチラホラいますのでご注意を。
感染症 | 人数(人) |
---|---|
溶連菌 | 9 |
アデノウイルス | 1 |
RS ウイルス | 1 |
ロタウイルス | 0 |
マイコプラズマ | 1 |
インフルエンザA | 201 |
インフルエンザB | 0 |
*インフルエンザは臨床症状で診断している人も含みます
(2019.1.4~1.26)
今月の一冊
「おふくさんの おふくわけ」
ぶん・え 服部美法
おふくさんたちは、毎日みんなで仲良く暮らしています。そこへ、おにが「うまいもん、くわせろ!」とやってきました。でも、おいもがひとつきり。おふくさんたちは、おいもを使った料理をおにと一緒に作ることになりました。みんなで作って、分けて、食べる場面の幸せそうな顔に「福」があふれています。 (T.K.)
今月の予定
2月 7日(木) 常総市1歳児健診
14日(木) つくばみらい市 歳児健診
22日(金) 守谷市1歳6か月児健診