第104号
長引く梅雨（8/1ようやく明けましたね)、コロナ感染者の再増加など、夏休みを前にしてもなかなか手放しでウキウキ気分になれない今年ですが、こんな時こそ家族で身近な小さな発見をして楽しい時間を過ごしてほしいと思います。お出かけの時は、極力人混みを避ける、手指消毒など感染防止策を充分とってくださいね。
こどもの肥満
３月から３か月余りに及んだ休園休校後、久しぶりに外来に来た子の中には、体重が急激に増えたり、お腹がポッコリ出たりした子が通常より多いようで、ずっと家にいる生活が子供たちに及ぼした影響は大きかったと改めて思います。
肥満が気になるときは、まず肥満度をチェック。
肥満度＝(実測体重－標準体重)÷標準体重×100 ％
で求めますが標準体重は性別・年齢別・身長別に設定されており、記載しきれません。日本小児内分泌学会のHP→肥満のページにある男女別の幼児用及び学童用肥満度判定曲線を用いるのがよいでしょう。（幼児の身長体重曲線は母子手帳に載っています。外来にも用意がありますのでご希望の方はお申し出ください。）
肥満度20％以上は軽度、30％以上中等度、50％以上は高度肥満です。
幼児・学童期の肥満のほとんどは単純性肥満といって、摂取エネルギーが消費エネルギーを上回っているために生じるものです。肥満は生活習慣病と呼ばれる2型糖尿病、脂質異常症、高血圧などの原因となり動脈硬化を促進します。肥満を放置すると脂肪肝や睡眠時無呼吸を起こすこともあり、膝や腰への負担も大きくなります。ますます動くのがおっくうになり肥満が進行する悪循環に。
肥満解消には食事療法と運動が基本。3～5歳児のエネルギー所要量は男1300kcal、女1250kcal、8～9歳児(普通活動レベル)の男1850kcal、女1700kcalです。まずはこれを超えることのないよう1日3食＋1回の間食で、炭水化物ばかりでなく食品数をなるべく多く摂るようにし、大皿でなく個別に盛り付けを。食事はよく噛んで(30回以上目標)食べ、早食い・ダラダラ食べはやめましょう。牛乳も200mlで138kcalあります。飲みすぎないように。
運動は皮下脂肪を減らして筋肉を増やし、交感神経を刺激し脂肪燃焼を促進します。コロナと長引く梅雨でなかなか外や集団で活動しにくい昨今ですが、感染対策を行いながらクラブ活動等は続けてほしいし、クラブ活動等を行っていない子も1日60分は通学や散歩・縄跳び等で体を動かしましょう。
包茎について
ほとんどの赤ちゃんは包茎の状態ですが、３歳ごろまでに自然と解消されるので、赤ちゃんのうちはあまり気にせず、無理に包皮を剥く必要はありません。１-2歳過ぎてもツルツルで亀頭が全く見えないようなお子さんには、入浴後にステロイド剤を塗布して伸ばすようにお勧めしています。
たまに、皮の内側に膿みたいな白いものが透けて見えることがありますが、それは「恥垢」といい、カスがたまったようなものです。おちんちんが赤く腫れたりしていなければ放置で大丈夫です。
三種混合ワクチンについて
ここ数年、全国で大人から子供まで百日咳にかかる患者さんが増えており、小児科学会等では小学校入学前に百日咳予防を目的に三種混合（百日咳・ジフテリア・破傷風）ワクチン接種を勧めています。当院でも麻疹風疹２期と共におたふくかぜ２回目と三種混合を接種する機会が増えてきていました。
喜ばしいことだったのですが、全国的に接種者が増えたことにより、三種混合ワクチンが在庫切れになったとメーカーから通知がありました。これから予約される方は11月以降にお問い合わせくださいますようお願いいたします。
感染症流行状況
手指消毒・マスク着用・ソーシャルディスタンスといったコロナ感染対策は、他の感染症予防にもなっており、例年この時期流行る手足口病やヘルパンギーナなどもほとんどみかけません。
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感染症 |
人数（人） |
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溶連菌 |
11 |
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アデノウイルス |
0 |
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RSウイルス |
0 |
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マイコプラズマ |
0 |
(2020.6.29～7.25)
今月の一冊
「えんぴつとケシゴム」
文：カレン・キルパトリック
ルイス・O・ラモス・ジュニア
絵：ヘルマン・ブランコ
訳：高畑正幸
絵を描くのが大好きなえんぴつ。いつも一人で絵を描いていたえんぴつが出会ったのは、消すのが大好きなケシゴム。正反対の2人が一緒ならもっと素敵な絵がかける！「えんぴつケシゴム」になるまでの友情を描いた絵本です。(T.K.)
今月の予定
8月 11日(火)～15日(土) 夏季休診
20日(木) 常総市3歳児健診
21日(金) 守谷市1歳6か月児健診
27日(木) つくばみらい市1歳6か月児健診
