第136号
桜は今が満開！朝晩、ふれあい通りや小中学校の桜を見ながらの通勤が楽しいひと時です。
今月は入園入学、進級とみんな変化の時ですね。いろいろな体験をして子供達一人一人が伸び伸びと笑顔で過ごせるようにと願っています。
９価HPVワクチン(子宮頸がん予防)ワクチンが定期接種に
新しい9価のヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを4月から定期予防接種として使えることが正式決定されました。従来の2価・4価のワクチンは共に子宮頸がんを起こすリスクの高いHPV16型と18型感染を予防しますが、9価はさらに31,33,45,52,58型の高リスク型が加わり、子宮頸がん原因ウイルスの約90%がカバーされます。（４価・９価にはその他に低リスク型の6、11型が入っています。）これから接種する場合は、この9価ワクチンをお勧めします。
・対象：小学校6年～高校1年女子
・キャッチアップ接種対象：
平成9年度～18年度生まれの女子
・接種方法
15歳未満で開始：初回→6カ月後に2回目
15歳以上で開始：初回→2か月後2回目
→初回から6カ月後に3回目
＊従来は3回接種が基本でしたが、9～14歳を対象とした海外の研究で上記のような2回接種でも3回接種と同様の効果があることが示されたことから、この年齢では2回接種でもよいことになりました。
2013年に定期予防接種となったHPVワクチンですが、直後に「全身の痛み」「けいれん様の動き」「歩行障害」「記憶障害」等多彩な症状が報告され、メディアでも大々的に取り上げられ、厚労省も「積極的接種勧奨をしない」としたため、接種者は激減しました。現在日本では毎年、約11,000人の女性が子宮頸がんになり、約2,900人が亡くなっています。20代、30代で罹ると、治療で子宮を失い妊娠できなくなる人も年間1,000人位います。
一方、男女ともにHPVワクチン接種を推進してきたオーストラリアでは、現在新たに子宮頸がんを発症する人は非常に減少しており、2028年には撲滅レベルになると予想されています。
それだけ効果のあるワクチンですから、中学生のうちに接種することをお勧めします。接種後にみられた多彩な症状は、HPVワクチンに限らず、何らかの痛み刺激やストレスをきっかけに、時にははっきりした誘因が不明でも起こりうる「機能的身体症状」と考えられています。ワクチンの成分が脳に変化を及ぼすようなことはありません。
予約は、お電話あるいは窓口でご相談ください。
花粉症に対する舌下免疫療法
今年は本当にスギ花粉飛散量がすごかったようで、大人も子どもも症状の強い人が多くいました。数年前からスギand/orダニが原因となる鼻炎の治療法のひとつとして、舌下免疫療法が行われています。
アレルギーの原因となっているアレルゲンを少量ずつ投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげようというものです。３～５年治療を継続することにより、その後も長期にわたり症状をおさえ、体質改善が期待される治療法です。
舌下免疫療法を行うためには、まず、スギあるいはダニが原因となっているアレルギー症状であることを診察と血液検査によって確認します。その後少量から開始し、副作用がなければ１週間後に増量し、３年以上毎日舌下投与する治療を継続します。
スギが飛散する時期にはアレルギー症状が強く出る可能性があるため、スギ花粉がおさまった夏～秋の間に治療を開始する必要があります。舌下免疫療法をご希望の方はご相談ください。
今後の新型コロナワクチン
令和5年度末まで特例臨時接種が継続され、公費で接種が行われますが、接種対象者は時期により異なりますので、大人も子供も自治体からのお知らせに注意して下さい。
小児に関しては、6カ月～4歳の初回接種として従来株ワクチンでの3回接種が継続されます。5～11歳については初回接種としての２回は従来株ワクチンで継続、３回目以降の追加接種は４月からオミクロン株を加えた２価ワクチンに変更されます。
感染症流行状況
2月、３月とも１か月間に当院でコロナと診断した子は数名のみ、インフルエンザもだいぶ減りました。溶連菌やアデノウイルス感染が散見されます。
今月の一冊
「たんぽぽの ふね」
作：まるやま あやこ
たんぽぽの上に住む小さな女の子ぽぽんと小さな犬のぽんた。動物たちと一緒にたんぽぽの綿毛を集めて、大きな船をつくる。幻想的な物語の世界に魅了される絵本です。（T.K.）
今月の予定
4月20日(木) 守谷市３歳５カ月児健診
27日(木) 常総市乳児健診
★コロナワクチン接種のため
(火)(金) 17:00受付終了（月水は17:30まで）
