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第95号

[2019.11.01]

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2019.10.13 利根川の堤防

今年の秋は台風や豪雨による災害が続き、尋常ではない気象の変化を感じさせられました。幸いこの近辺では大きな被害が出ませんでしたが、4年前の常総水害と同じような事が全国各地で起き、被災された方々の事を思うと本当に心が痛みます。周囲を川に囲まれているこの地域でも油断できません。

 ようやく秋らしい晴れた日が。そんな日は戸外で気持ちよく過ごしたいですね。

迅速診断検査の意味

20年位前までは、今のように鼻や喉から綿棒でチョコっと検体を採って数分で陽性か陰性か判断できるような検査キットはありませんでした。インフルエンザも、医者が症状や周囲の流行状況からインフルエンザだと思えば「インフルエンザ」、思わなければ「風邪でしょう」と言うしかありませんでした。

 それが今ではいろいろな疾患の迅速診断ができるようになり、診療のツールとして無くてはならないものになりました。その反面、「○○が流行っているので検査をしてくるように言われた」等、検査をしないと納得されないこともしばしばです。感染拡大防止に園や学校が努力されている状況は理解しますが、不要な検査は極力避けたいと思います。今回は各種検査をどういう時にしたらいいかのお話です。

溶連菌:熱は高い時もあればほとんどない場合もありますが、喉の痛みが強い時や、喉を診て発赤が強い時に検査をしています。

インフルエンザ:急に高熱が出てぐったりし、目がウルウルした感じの時に疑います。軽い症状の人がいるのも事実ですが、そういう人たちは本来自然に治るのを待てばよいのだと思います。「感染防止のため」と検査する風潮はどうなのかと毎年悩みどころ。

RSウイルス:乳幼児が熱と共に咳・鼻水が始まり、次第にゼーゼーした苦しそうな呼吸になっている時に検査します。保健適応は1歳未満や入院患者などハイリスクの子のみ。

アデノウイルス:高熱が続くわりには元気なことが多いです。喉や眼が赤い時もあれば、そうでない時もあり、検査をしてみないとわからない所がありますが、自然治癒するので、熱が出てすぐにはあまり検査をしていません。

包茎&陰唇癒合

乳児健診で、男の子には包茎、女の子には陰唇癒合が時々みられます。どちらもステロイド軟膏を塗布して伸展することで治る場合があります。

包茎:おチンチンは包皮という皮をかぶっていて、その中に本体が隠れているのですが、生まれたばかりの赤ちゃんはほとんど全員皮をかぶったままの包茎状態です。それがだんだんと癒着が剥がれて3歳ごろまでに9割の子は包皮がむけるようになりますので、無理にご家庭で剥く必要はありません。しかし、なかには包皮が全く開く気配のないツルツルの子がいます。その場合、入浴後にステロイド軟膏を塗って包皮を下の方に数回伸ばす治療を勧めています。1か月位続けていると7-8割の子が翻転可能になります。

陰唇癒合:普通、小陰唇は左右に分かれ、膣や尿道口がみえるのですが、膜状に閉鎖し陰唇が分かれない状態が陰唇癒合です。薄い膜状のものはステロイド軟膏を塗布して左右に広げるようにすると徐々に穴が大きくなり分かれてきます。

包茎も陰唇癒合も軟膏治療だけで治らない場合は、折を見て小児外科へ紹介しています。

感染症流行状況

10月中もインフルエンザの患者さんがチラホラみられ、学級閉鎖が出たりしましたが、例年の冬にみられるような爆発的な流行にはなっていません。

感染症

人数(人)

溶連菌

8

アデノウイルス

5

RSウイルス

4

ロタウイルス

0

マイコプラズマ

0

インフルエンザA

12

インフルエンザB

0

ヒトメタニューモウイルス

0

(2019.9.30~10.26)

今月の一冊

「ぼくとどうぶつたちのおんがくかい」

作:山田 和明

 

 どこかさびしげなピアノの音。プープカプー!ジャンジャカジャン‼ 動物の仲間と楽器がどんどん加わって、最後には友情がつむぐオーケストラのメロディーがひびき渡ります。楽器の音色を想像しながら読んでみると面白いと思います。(T.K.)

今月の予定

 11月 14日(木) 常総市3歳児健診

  17日(日) 午前 JAとりで総合医療センタ― 救急担当

  19日(火) 20日(水) 中学生職場体験

  22日(金) 黒内小就学児健診

  29日(金) 守谷市1歳6か月児健診

 

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