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第96号

[2019.12.03]

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2019年ももうすぐ終わり。今年はどんな年でしたか?各地で大きな災害があり、子どもが巻き込まれる事件事故もありました。家族そろって普通に日常生活を送れることのありがたさを改めて感じます。

皆さま、よいお年をお迎えください。

咳がひどい・咳が長引いている

咳の訴えは小児科外来で最も多いもの。多くは、いわゆる「風邪」に伴う咳で、1週間前後で治ります。「咳がひどい・咳が長引いてなかなかよくならない」といった時は、以下のような病気がないか注意が必要です。

【マイコプラズマ肺炎】

 最近、守谷近隣で患者さんが出ています。熱が出て、最初はあまり咳をしていなくても、次第に咳が強くなり、熱は持続する場合もあれば、上がったり下がったりの場合もあります。必要に応じて胸部レントゲン写真・咽頭拭い液での迅速検査・血液検査等を行って診断しています。ただし、当院でできる迅速検査は陽性率が低いので、検査陰性でもその他の所見から総合的に判断し治療しています。

 治療はマクロライド系の抗生剤投与が基本ですが、現在流行っているタイプは、マクロライド系が効きにくい子が多いようです。熱が下がっても咳が結構残るので、授業に差し支えない程度に改善するまで登園登校は控えてください。

 マイコプラズマは発育が遅い菌なので、家族や友人間での感染などは2-3週間後の発症が多いです。

【百日咳】

 ここ1、2年全国で報告が多くなっています。いったん出るとなかなか止まらないコンコンコンコンした咳を繰り返し、夜眠れなかったり、咳で吐いたりすることもあります。赤ちゃんがかかると、無呼吸やけいれん、脳症など重症化する場合があります。治るまで本当に百日近くかかる病気ですが、血液検査等をしてみないとなかなか診断がつきません。

 三種混合あるいは四種混合ワクチンに百日咳が含まれており、接種直後に百日咳の抗体は充分高くなりますが、4~10年程度で抗体価が低下し、罹ってしまう場合があります。小学校入学前後に、自費にはなりますが、三種混合ワクチンを接種し百日咳にかからないようにしたいですね。

【喘息・RSウイルス感染症等】

 咳と共にゼーゼー、ヒューヒューした息が聞こえ、呼吸が苦しそうになります。乳児期はRSウイルス等の感染でなりやすいので、そういう時にゼーゼーしても、喘息というわけではありません。

 喘息発作を繰り返す場合は、継続的な治療を行い、発作を起こさず日常生活を送れるようにすることが大切です。

【副鼻腔炎】

 風邪に続いて起こることが多く、多くはウイルス性で自然治癒もしますが、喉の奥に鼻汁が回り、咳こむことがあります。鼻づまりがひどく、喉の後ろに黄緑色の鼻汁が多く回っている場合などは、抗生剤投与をすることがあります。

 

感染症流行状況

インフルエンザは9月から週に数人出たり出なかったりの状態がずっと続いていましたが、11月末になって増加し始め、ついに流行が広がりそうな気配です。

インフルエンザに限らず、11月中も手足口病が流行したり、RSウイルスも最近はほぼ年間を通して患者さんがいたり、と病気の季節性がなくなってきているように感じるこの頃です。

感染症

人数(人)

溶連菌

27

アデノウイルス

10

RSウイルス

7

ロタウイルス

0

マイコプラズマ

4

インフルエンザA

35

インフルエンザB

0

ヒトメタニューモウイルス

0

(2019.10.28~11.30)

♪インフルエンザの登園・登校停止期間♪

 発症した後5日を経過し、かつ、解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで。

*発症日は0日と数えます

 

今月の一冊

「もりのおくのクリスマスツリー

作:ユーヴァル・ゾマー

訳:石津ちひろ

ぼくは1本の木。ぼくは背がのびなくて、ぐらぐらしてみっともない。森が雪で真っ白になった頃、他の木はクリスマスツリーとしてもらわれていき、最後にぼくだけが残ったけれど、夜が明けると…。

森の生き物たちの生き生きとした声が聞こえてくる暖かなクリスマスのお話です。(T.K.)

今月の予定

 12月  5日(木) 常総市3~5か月児健診

  12日(木) 守谷市3歳5か月児健診

  19日(木) つくばみらい市3歳児健診

  30日(月)~1月3日(金)  年末年始休診

 

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