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第140号

[2023.08.02]

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毎日毎日、本当に暑いですね。そして世界中で起きている異常気象や災害。北極南極やスイスアルプスなどの氷河はどんどん溶けているようです。国連のグテーレス事務総長は「地球温暖化の時代は終わった。地球沸騰の時代が到来した」と。恐ろしい~。

皆さま熱中症にはくれぐれも注意しながら、楽しい夏休みをお過ごしください。

 

なぜヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種が勧められるのか?

 ヒトパピローマウイルスは主として性交渉により感染し、子宮頸がんをはじめ、中咽頭がん・肛門がん・外陰部がん等の原因となります。感染しても大半は自然に排除されますが、持続感染すると細胞が変化し、数年以上かけてがんへと進展していきます。

 現在日本では、年間11,000人前後の女性が子宮頸がんと診断され、約3,000人が子宮頸がんにより死亡しています。1980年代は子宮頸がんと診断されるのは50代以降の人が多かったのですが、2019年では20代から増え始め、30~40歳代が多くなっています。つまり結婚・出産する頃に子宮頸がんと診断され、子宮を摘出する手術や化学療法などの治療をせまられる人が増えているということです。

 子宮頸がんの95%以上は子宮頚部でのHPV持続感染が原因です。HPVワクチンはHPV感染を防ぐワクチンです。日本では2009年に認可され2013年に定期接種となりましたが、接種後に起きたさまざまな症状が問題となり、「積極的接種勧奨をしない」時期が長く続きました。

 この間、諸外国ではこれら多彩な症状が「ワクチンの副作用」として問題になることなく、接種が勧められてきました。その結果、各国から前がん病変や子宮頸がん罹患率が低下したと報告されています。オーストラリアでは「2030年までに子宮頸がんは撲滅されるだろう」とさえ言われています。接種後に起きたさまざまな症状は、HPVワクチンに限ったものではなく、他の痛み刺激やストレスなどでも起きることがある機能的な身体症状であると、現在では考えられています。

 今年4月から“シルガード9”という9価のHPVワクチンが定期接種として使えることになりました。これにはがん化しやすいハイリスク型HPVが7種類、良性の病気を防ぐ2種類が含まれています。子宮頸がんを起こしやすいHPVのほとんどがカバーされており、子宮頸がん発症予防効果は90%以上と言われています。15歳未満で接種開始した場合は2回接種で済みます(15歳以上は3回)。中学1~2年での接種をお勧めします。

 これまで接種機会を逃してきた1997年度~2005年度生まれの女性には2025年3月までキャッチアップ接種として、公費でワクチン接種ができます。この機会を逃さず接種して子宮頸がんから自分の体を守りましょう!

 

薬剤不足のこの頃

あまり報道されていませんが、実は最近いろいろな薬が不足しています。小児科領域では去痰剤や抗生剤、インタール吸入液等々。

大手の後発医薬品会社が多数の医薬品を製造停止したことや、他でも原薬の調達が困難、採算の合わない医薬品製造を控えるなど様々な要因があるようです。処方できない薬が出てきたり、薬局によって在庫がある薬ない薬があったり、とだんだん診療に影響が出てきました。処方日数を少なくせざるを得なかったり、調剤薬局で薬剤変更になる場合もあるかと思いますが、ご了承ください。

 

感染症流行状況

先月に続き、いろいろな病気が流行っています。手足口病やヘルパンギーナは減少傾向ですが、RSウイルス感染者数は横ばい、コロナ増加傾向です。こんな猛暑なのにインフルエンザA型も散見されます。溶連菌感染が少し増えています。原因がはっきりしないけれど熱や咳の続く子も多いです。

 

今月の一冊

「セミくん いよいよこんやです

作:工藤ノリコ

地中で暮らすセミくんの元に、一本の電話がかかってきました。「いよいよ こんやです」

いったい何が起こるのかな?

セミの幼虫の羽化を描く楽しい絵本です。(T.K.)

 

今月の予定

8月10日(木)~17日(木) 夏季休診

コロナワクチン接種のため  

 (金) 17:00受付終了(月火水は17:30まで)

 

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