第146号
ここ数日、暖かい日が続いています。2月4日は立春。まだ寒い日もあるでしょうが、春はもうすぐ。
開院以来、16年余り使っていた診察室の椅子を先日替えました。子ども達は診察室に入るなり「椅子、変わった~!」とすぐ気づくようです。壁面に飾られている作品も、変わるとすぐ「あ、変わった!」と。子ども達はよく見ているな~と感心しています。
花粉症の季節です
今や日本国民の半数近くが花粉症といわれています。今年は暖冬でスギ花粉の飛散が早く始まっているようで、私もすでに朝目がかゆかったり、くしゃみが出たり。10年前までは花粉症なんて無縁と思っていたのに、いつの間にか…。
花粉が飛びやすいのは、昼前後と夕方。特に晴れて気温が高い日、空気が乾燥して風が強い日、雨上がりの翌日などに飛散量が増加するので要注意です。
症状に応じてアレルギー症状を抑える飲み薬、点鼻薬や点眼薬等処方しています。また、近年では、スギとダニに対する舌下免疫療法が5歳以上の子どもにもできるようになりました。
アレルギーの原因となっているアレルゲンを少量ずつ投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげようというものです。3~5年治療を継続することにより、その後も長期にわたり症状をおさえ、体質改善が期待される治療法です。
舌下免疫療法を行うためには、まず、スギあるいはダニが原因となっているアレルギー症状であることを診察と血液検査によって確認します。その後少量から開始し、副作用がなければ1週間後に増量し、継続します。始めたお子さんは翌年あたりでも症状が軽くなっているように感じています。
ただし、スギが飛散する時期にはアレルギー症状が強く出る可能性があるため、スギ花粉がおさまった夏~秋に治療を開始する必要があります。
昨年、スギの舌下免疫療法の薬が品不足となり、新規の免疫療法開始に制限が出たのですが、この薬の原料は本物のスギ花粉を採集してきたものなので、原料が尽きてしまうと薬が作れなくなってしまうためだそうです。スギ花粉を大量に採集する様子を想像するだけでも、かゆくなってしまいますね。
マイコプラズマ肺炎
コロナ禍でほとんど流行しなかった感染症の一つにマイコプラズマ感染症があります。しかし、隔離政策が解かれ人々の交流が盛んになった結果、昨年から中国や韓国、欧米でもマイコプラズマ感染症の流行が報告されています。昨年秋ごろから、当院でもマイコプラズマと診断、あるいは疑いが濃いと考えて治療したお子さんがちらほら出てきました。インフルエンザ流行が一段落したら、次はマイコプラズマかもと、ひそかに懸念しています。
マイコプラズマ肺炎はマイコプラズマという細菌が気道に感染して起こる肺炎です。学童や若い成人に多く、感染してから2~3週間の潜伏期を経て(マイコプラズマは非常にゆっくり増殖する菌なのです)、発熱、頭痛等で発症し、次第にあまり痰のからまない、かわいた咳が激しく出るようになります。
当院での診断方法は、採血で抗体を測定することと、必要に応じて胸部レントゲン撮影を行っています。これらは、発症してすぐには有意な結果が得られないため、どうしても症状が数日続いてからの検査になります。
インフルエンザもコロナも迅速検査陰性だけれども、熱が続き、鼻水はほとんど出ずに咳だけひどくなっている時に、マイコプラズマを疑って検査や治療を行っています。時には、検査前に治療していることも…。
できれば、あまり流行らずにいてほしいものです。
感染症流行状況
年末年始の冬休みで様々な感染症も落ち着きかけましたが、1月後半からインフルエンザB型やコロナウイルス感染症が増加してきました。アデノウイルスと思われるお子さんはだいぶ減りましたが、溶連菌は根強く一定数の患者さんが出ています。
今月の一冊
「おとぎれっしゃ しゅっぱつしんこう!」
作・絵 間瀬なおかた
おとぎ列車がトンネルを抜けると、次々に世界が変わり、日本の昔話や外国、海賊の宝島、竜宮城、空の駅…。名作の一場面がたくさん描かれています。テンポのよい汽笛の音、穴あき+探し絵も楽しめる絵本です。(T.K.)
今月の予定&お知らせ
2月 1日(木) 守谷市3歳5カ月児健診
22日(木) つくばみらい市1歳6カ月児健診
*金曜日はコロナワクチン接種のため、一般外来は17:00で受付終了とさせていただきます。月・火・水は17:30受付終了。
*発熱で受診される方は、受診前に電話連絡をお願いします。
*4月に小学校へ上がるお子さん達の麻疹風疹混合ワクチン2期は3月31日までに必ず打ちましょう。
任意ですが、おたふくかぜワクチンの2回目や三種混合ワクチンもお勧めしています。