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　ついこの間は暖房を入れる日もあったのに、いきなり夏日に…。皆さん体調に気をつけてくださいね。

　写真は筑波実験植物園に咲いていた「クレマチス　コロナ」。“コロナ”とはもともと太陽の大気の最も外側の部分で、皆既日食の時に太陽の周りに広がる白く輝いている光冠のことです。コロナウイルスは電子顕微鏡でみると、ウイルス粒子の周りに並ぶスパイク蛋白が冠のように見えることから名づけられました。そろそろコロナ感染症も“普通の風邪の一種”となりつつあり少し安心のこの頃です。

 

RS　＆　ヒトメタニューモウイルス感染症

　RSウイルス感染症というと、以前は秋から初冬にかけて流行していたのですが、近年ではゴールデンウイーク頃から流行が始まり結構長い期間流行する傾向があります。今年はすでに3月頃からちらほらRSウイルス感染者が出ています。

風邪のウイルスの一種であり、大多数の子は２歳頃までに一度は感染し、その後も繰り返し感染します。多くは、発熱や咳鼻水が数日続いて自然に軽快していきますが、新生児や乳児期に感染すると、高熱が続き、咳や鼻水がひどくなり、胸がゼーゼーするようになります。呼吸困難が強くなると入院することも多い疾患です。時に無呼吸発作や脳症等を合併することもあります。

　基礎疾患を持つ赤ちゃんや早産児に対しては、現在、一定期間毎月RSウイルスに対する抗体を注射する重症化予防対策が行われています。しかし、基礎疾患のない赤ちゃんでも重症化することがあり、特に入院するのは生後１～2か月の赤ちゃんが多くなっています。

　そこで、妊婦さんにワクチンを接種することによりRSウイルスに対する抗体が母体で作られ、その抗体が胎盤を通じて胎児に移行することで、新生児及び乳児におけるRSウイルス感染の重症化を防ぐワクチンが開発されました。

　すでに国内で認可され、近々発売される予定です。

妊娠24週～36週の妊婦さんに1回筋肉内接種します。今後このワクチンがどれくらい浸透していくのか、それによって新生児や乳児期早期のRSウイルス感染症状が変化していくのか、注視していきたいと思います。

RSと似たような症状を起こす病気にヒトメタニューモウイルス感染症があります。迅速検査ができるようになったのは数年前のことですが、最近は「園でヒトメタが流行っています」などとサラリとお母さん方から言われびっくりします。

　RSウイルスもヒトメタニューモウイルスも特効薬はありません。症状に合わせた対症療法となります。

　保険診療の規定では、外来で行えるRSウイルス迅速検査は１歳未満、ヒトメタニューモウイルスは６歳未満で肺炎が疑われる場合となっています。「園で流行っているので検査をしてほしい」とよく言われますが、本来であれば年齢対象外のお子さんには自費診療となるものです。検査した方がよいと医師が判断した場合のみ検査を実施していますので、皆様のご理解をよろしくお願いいたします。

 

年長さんで受けたいワクチン

　年長さんには市から麻疹風疹混合ワクチン(MR)2期の予診票が届いたと思います。春先に麻疹(はしか)患者さんが増えていると連日報道され、内科クリニックには成人の麻疹ワクチン接種希望の問い合わせも多かったようです(おかげでワクチン確保が大変でした)。幸い大流行には至らず収束しましたが、収束した大きな要因は、子どもから高齢者まで、ワクチン接種あるいは昔麻疹に罹ったことにより多くの人が麻疹に対する免疫を持っていたからです。

　麻疹は感染力が非常に強く、かかると普通に経過してもつらい症状で合併症も多く、数年経ってから発症する脳炎もあります。かからないようにしっかりワクチンを打って下さいね。風疹予防も大切！

　自費になりますが、おたふくの２回目接種と、百日咳予防のための三種混合(百日咳・ジフテリア・破傷風)ワクチンも小学校入学前後の児にお勧めしています。初回のワクチン接種後、数年経つとやはり抗体が低下し罹りやすい状態になってしまいますので、追加接種で抗体アップを目指しましょう。

 

感染症流行状況

　4月末にはインフルエンザやコロナはほとんどみられなくなりましたが、溶連菌感染症の流行は続いています。RSウイルスが増加傾向です。

今月の一冊

「オーリンとバイオリン」

さく：すみとも　ななみ

年老いたライオンのオーリンが、落し物のバイオリンを奏でると、動物たちが集まり大きなパーティーが始まりますが思わぬことに⁉　　音楽を通して荒れた平原が豊かな平原になり生命の力を感じられる絵本です。（T.K.）

 

今月の予定＆お知らせ

5月  14日(火)   黒内小健診(院内の乳児健診なし)

        16日(木)   黒内小健診

       22日(水)　黒内小健診(院内の予防接種なし)