第85号
あけましておめでとうございます!
穏やかな新年をお迎えのことと思います。
今年は平成という一つの時代が終わり、新しい時代の始まりでもあります。とはいえ、人々の営みは毎日毎日の連続で急に何かが変わるわけではないのですが…。
子ども達が心身共に健やかに育つ世の中であってほしいと祈っております。
インフルエンザの季節です!
12月下旬からインフルエンザの患者さんが散見され、今年も3学期が始まると流行しそうな気配です。
突然の発熱で倦怠感が強く、眼がウルウルした感じは怪しい症状。うわごとを言ったり、突然起きてウロウロしたりすることがあるので、熱が高い時は、大きいお子さんも一人で留守番させずに目の届くところで看病してください。B型は嘔吐などの消化器症状を伴うこともあり、A型と比べると抗インフルエンザ薬の効きが悪くダラダラ微熱が続くことが多い印象です。
インフルエンザの治療というと、これまで飲み薬のタミフル、吸入薬のリレンザ、イナビルが主流でしたが、昨年から1回内服するだけの新しい薬が出ました。しかし、これは現在のところ錠剤のみなので、体重20kg以上で錠剤が飲めるお子さんにしか適応はありません。まだ症例の積み重ねが少ないので子供には慎重にした方がよいかとも思っています。
もともとインフルエンザは自然に治る疾患であり、必ずしも検査や投薬が必要な病気ではありません。毎年ながら検査や投薬には悩む季節です。具合が悪そうな時は無理せずに休むことが大人も子供も最も大切なことだと思います。
インフルエンザの登園・登校停止期間
発症した後5日を経過し、かつ、解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで。
*発症日は0日と数えます
突発性発疹
生後5-6か月から2歳頃までの児に多くみられる、突然発熱し、3〜5日後に解熱と共に体を中心に2〜3mmの赤い発疹が出現する疾患です。
ヒトヘルペスウイルス(HHV)6型というウイルス感染が主な原因ですが、他にもHHV7型やエンテロウイルスなども同様の症状を起こすので、1回だけでなく、2回以上突発性発疹に罹る事もあります。
熱の割には比較的元気で、喉を見た時に口蓋垂の両脇に赤い部分があると、突発性発疹らしいのですが、熱が下がってから発疹が出たのを確認しないと確定診断はできません。
自然に治る病気なので、比較的元気でそれなりに飲んだり食べたりできていれば様子観察だけで充分です。高熱がつらそうな場合のみ、解熱剤を使ってもよいですが、39度以上でもつらそうな様子がなければ使う必要はありません。
熱が下がって発疹が出た時は、何故か多くの子が機嫌悪くなり、抱っこしていないと泣きやまず、ぐずってしようがない状態になるようですが、それも1〜2日でいつもの状態に戻ります。
突発性発疹の時に熱性けいれんを起こす事があります。初めてけいれんする子を見るとお父さんもお母さんもビックリし慌ててしまうと思いますが、熱性けいれんの多くは1〜2分で自然に止まります。安全な所で少し顔を横に向けて様子をみてください。2〜3分見ても止まる様子がない時や、けいれんを繰り返す時は救急車を呼んで受診した方がよいでしょう。
突発性発疹でも稀に脳炎を起こすことがあるので、けいれんが止まらなかったり、意識状態が明らかにいつもと違う時には即受診してください。
保育園などの登園は丸1日以上熱が下がっていればよいですが、発疹が派手で機嫌が悪いうちは、お家で様子を見た方がよいでしょう。
感染症流行状況
水痘やマイコプラズマのお子さんは減ってきました。暮れからインフルエンザが流行の兆しです。
感染症 | 人数(人) |
---|---|
溶連菌 | 22 |
アデノウイルス | 2 |
RS ウイルス | 5 |
ロタウイルス | 0 |
マイコプラズマ | 7 |
インフルエンザA | 7 |
インフルエンザB | 0 |
*インフルエンザは臨床症状で診断している人も含みます
(2018.11.26~12.28)
今月の一冊
「ぽめちゃん」
作・柴田ケイコ
ふかふかの体に長いまつ毛がチャームポイントのポメラニアンのぽめちゃん。「ぐーすーぴー」と寝ていたら、寒そうなねずみくんがやってきて…。ぽめちゃんの可愛さと優しさに心暖かくなる絵本です。(T.K.)
今月の予定
1月10日(木) 常総市1歳児健診
27日(日) 午前JAとりで総合医療センター 救急外来担当
31日(木) 守谷市3歳5ヵ月児健診