第127号
五月晴れの日が少ないまま梅雨入りし、6月下旬には観測史上最速で梅雨明け。と思ったら連日の猛暑です。気候変動を肌で感じますが、熱中症にならないよう、皆様くれぐれもご注意下さい。
三種混合ワクチンについて
三種混合は、「百日咳」「ジフテリア」「破傷風」の混合ワクチンです。現在、0-1歳児に定期接種している四種混合は、これに「不活化ポリオ」が加わったものです。
最近、就学前の麻疹風疹2期のワクチン接種に来たお子さん達に「自費になりますが、おたふくの2回目と三種混合もお勧め」と話しています。三種混合接種の目的は百日咳予防です。
下の表はコロナ前の2019年の年齢・予防接種歴別百日咳届出数です。(国立感染症研究所HPより抜粋)
感染者のピークはワクチン未接種の0歳児と、ワクチン接種をしていても罹患している6-13歳の学童期であることがわかります。
つまり、0-1歳で四種混合ワクチンを接種することで、一定の予防効果が得られますが、数年経つと抗体が下がり、罹りやすくなっているのです。
百日咳は、百日咳菌という細菌がのどなどについて起こり、はじめは軽い風邪症状ですが、次第にコンコンコンコンとした咳が続くようになり、咳が苦しくて顔が真っ赤になったり目が血走ったりして、咳込んだ後にやっと「ウ――」と息を吸い込む状態になります。咳がおさまるまで本当に100日近くかかるのです!また、赤ちゃんがかかると無呼吸など重症化することがあり要注意です。
年長さん位の年齢で、是非三種混合ワクチンを接種し、百日咳を予防しましょう。
傷のてあて
小児科クリニックは何でも屋。病気の子だけでなく、「転んでケガをした」「「階段から落ちた」「やけどした」等の訴えで受診されるお子さんもいます。石やテーブルの角等にぶつけたりして、傷口がパックリ開いて出血が続いている場合は外科を受診する必要がありますが、ちょっとしたすり傷は、ご家庭での手当で充分いけます。
1.まずは、流水でキズ口をよ~く洗います。消毒剤は不要。
2.軽く水気をふき取った後、必要に応じて保護テープを貼る。
これだけです。
浅いキズは何も貼らないor普通の絆創膏でよいですが、ジュクジュクした透明~半透明の液(浸出液)が出ているような場合は、『プラスモイストテープ』がお勧めです。一見普通の絆創膏ですが、パッド部が特殊な構造で、浸出液のコントロール機能を有しています。キズ口を乾燥から守りながら浸出液を吸収してくれるので傷の回復が早く、普通のガーゼのようにキズ口にはりついてしまうことがありません。
一般の薬局ではなかなか販売しておらず、クリニック脇の調剤薬局さんに普通サイズ14枚入り・ビッグサイズ8枚入りのものを置いてもらうことにしました。(キズパワーパッドよりもややお高い値段になってしまいますが…)受診しなくても、直接薬局で購入可能です。
広範囲の傷や深めの傷はクリニックで診察・処置、場合によっては外科のある病院を受診していただきます。
感染症流行状況
コロナウイルス感染者はだいぶ減りましたが、高熱が出ているお子さんは結構います。一部アデノウイルスが検出されるものの、コロナやインフルエンザ何も出ず、原因不明。夏風邪ウイルスかと思われます。下痢の続いている赤ちゃんが多いようです。
RSはまだ近辺ではほとんど流行していませんが、全国集計では増加傾向であり要注意です。
今月の一冊
「あるひ くじらがやってきた」
作:ニック・ブラント
訳:なかがわちひろ
突然、海からくじらがやってきて、街のみんなは大さわぎに‼ 困った人々は、くじらを街から追い出そうと考えますが、実はくじらにも海に帰れない理由があるようです。くじらと一緒に環境問題を考える絵本です。(T.K.)
今月の予定
7月 14日(木) 守谷市3歳5カ月児健診
★コロナワクチン接種のため一般診療の受付時間を変更しています。
(火)(金) 17:00受付終了
7月2日.23日(土) 11:30受付終了
~発熱で受診される方へ~
発熱している方は午前11時台、午後16:00 16:15に予約の上、来院前にお電話での連絡をお願いいたします。